山形正宗、水戸部酒造さんの今後の方向性が十分感じられる「たむぎの」。

奥羽山脈のふもと、山形市内から車で約30分。谷川に沿って山を登っていくと、スキー場の手前に棚田の綺麗な、小さな集落が広がります。
天童市田麦野地区。美しさとは反比例し過疎化が進むこの地に、水戸部酒造さんは今年、念願の自社田を持つことができました。

この地域で酒米の契約栽培を始めて早今年で2年。地域の方々と徐々に打ち解け、今年、休耕田をお譲りいただけたのです。

実際に、休耕田を一から耕すのは苦労の連続。
春・・田に石がたくさん。どかさねば耕せません。やっとどかして耕運機を入れれば空回りして動かず・・・・

夏・・雑草との格闘。坂なので草刈機を動かすも大変。台風の日には社員が止める中、水路のつまりを取り除きました。水路に流される危険も十分ある中で。

秋・・稲を狙うイノシシとの戦い。撃退のため電流が流れる柵を設置、社員もかかってビリビリ・・・。

辺り一面に綺麗な風景が広がる田麦野地区。そして無事収穫♪♪一から自分達の手で大切に育てたお米。

冬・・宝物のような酒米を、大事に大事に醸しました。田麦野の美しい景色、空気感を表現した山形正宗らしい綺麗な純米吟醸に仕上がりました。搾り終えたばかりの「たむぎの」。今しか味わえない生酒で、田麦野の自然豊に育った味わいをお楽しみいただけます。

バナナ、グレープフルーツ系の香りとは違う、麦や炊き立てのようなお米の自然な香り。開栓したてはシャープですっきりとした軸を中心とした切れ長の印象。やや時間と共に味にボリュームが加わり、お米本来の力強さとエネルギーが伝わってきます。山形正宗らしくキレ味は健在です。もちろん今から十分楽しめますが、数年熟成に十分耐えられる味わいがプンプン感じられます。これからの時期、山菜を肴に楽しみたい。。。。